【ご報告と御礼】第2期現代音楽鑑賞講座:第8回につきまして

【ご報告と御礼】第2期現代音楽鑑賞講座の最終回となる第8回講座(9/6 Sun)では、「楽譜に見る音楽の風景~写譜の現場から」と題して、作曲家で写譜家の小内將人氏にお話しいただきました。

当日は、1980年代から小内氏が手掛けてきた現代音楽の膨大で大変貴重な資料の数々をお持ちいただき、実際に手に取って見ることができるという稀有な機会となりました。本講座のためにご用意いただきました小内氏にありがたく心より感謝を申し上げます。

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小内氏は、1984年からNHKプリントセンターで写譜の仕事を始められ、今までに武満徹、三善晃、石井真木、間宮芳生、池辺晋一郎などを始めとする殆ど全ての作曲家の作品に対する写譜を手掛けてこられています。これらを一作品ずつ具に見てこられた小内氏の「楽譜」のお話しは、書法に始まりました。「不確定な書法では、確定的な演奏は不可能」であり「楽譜は機能であり、情緒的なものではないこと」を述べられました。また、生年代別にみる作曲家の筆跡からは様々な作曲家の身ぶりを見ることができると共に、楽譜への意識として「書くこと」と「伝えること」の違いも見えてきます。このなかで小内氏は「伝える」ために自らの記譜法を編み出して工夫する姿に共感を覚えていらっしゃいます。さらに、伝える「内容」について、「引用」の手法を例にとりながら、作曲家にとってかけがえのない「作品」に対する真摯な取り組みを求められました。

今回の内容について、近藤先生は、チャールズ・シーガー(Charles Seeger, 1886-1979)が述べる、演奏を規定する「規範的楽譜」と、ある特定の演奏を記録した「記述的楽譜」の観点を紹介されました。そして、「楽譜」には、これら二つを含むハイブリッドな状態があることを指摘され、そのために「楽譜をしっかりと書く」ことが実践的に必要であることを裏付けられました。また、「楽譜」には、「作曲家のアイディアが書かれている」という面を述べられ、「楽譜」からは、上記三点の在り様が見てとれることを添えられました。

素晴らしい講義で第2期現代音楽鑑賞講座の最終回を飾ってくださった小内氏に厚く御礼申し上げます。なお、ご臨席賜りました近藤譲先生、ご参加くださった皆様に深く感謝いたします。

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※ 本記事の写真は、小内氏から掲載の許可を頂いた上で掲載いたしております。

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