『石塚潤一講演会』補足説明 (3/24 夕方の部)

3月24日17時から開催予定の『石塚潤一講演会』について、講師の石塚さんが講演に関する貴重な内容を書いてくださいましたので、お知らせいたします。

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サウンドスリーよりリリースされている、日本の電子音楽のアンソロジー「音の始源を求めて第6集」中の、黛敏郎≪電子音楽のためのカンパノロジー≫解説には、以下のような記述がある。

‥‥‥(前略)黛敏郎はカンパノロジーを作曲する前に、梵鐘と声明の音の響きこそ自分の音楽のバックボーンであるといっている。彼は「交響曲のための≪カンパノロジー≫」を作曲する前に、梵鐘の音に含まれている音色と唸り音の分析を行ったが、この分析のためにNHK技術研究所から藤田尚、安藤由典研究員も参加した。

また、分析作業の始めに電子音楽スタッフは、日本各地の有名な梵鐘の音を収録し、その基本周波数を周波数カウンタで測定しようとした。ところが、梵鐘の音はm周波数が常時変化するので、その値を測定することは冬至の測定器ではうまく行かなかった。そこで、絶対音感の持ち主に音高さを聴いて貰ったがやはり鐘の音高は確定できなかった。そして、制作スタッフは、この音高の変化と梵鐘特有のビート音(唸り音)が日本人の心に癒し感を与える「諸行無常の鐘の音」の本質であろうと考えた。(以下略)

このおそらくは佐藤茂の手になる、具体的な記事を素直に読むならば、黛敏郎は≪涅槃交響曲≫作曲において、梵鐘の音響解析を行いはした、が、決して有意な結果を得られていない、、ということになる。加えて、音響解析に必要なフーリエ解析のアルゴリズムに必要な計算量と当時のコンピューターの演算速度を考慮するなら、上記の記事には相当の説得力がある。しかしながら、一方で、黛が涅槃交響曲作曲の下敷きとした音響解析の結果(とされるもの)もまた存在する。

果たして、涅槃交響曲作曲に音響解析の結果は援用されたのか、されなかったのか。本講演では、フーリエ解析のアルゴリズム、コンピューター発達史を踏まえつつ、黛のスケッチを含めた当時の資料を再検討し、≪涅槃交響曲≫とは究極何物なのか、を突き詰めていきたいと考えている。

場合によっては、音楽史の新しい扉が開くかも知れない。ふるってご参加ください。(石塚潤一 記)

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★彡 お申込み方法や開催情報は以下から ↓↓

3月24日:第3部『石塚潤一 講演会』「黛敏郎の《涅槃交響曲》について」

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