【ご報告と御礼】7月5日の現代音楽鑑賞講座第4回につきまして

【ご報告と御礼】7月5日の現代音楽鑑賞講座第4回では、音楽大学作曲専攻の学生、寺井まどかさんと金ヨハンさんの作品鑑賞とプレゼンテーションが行われました。

◆◇ 寺井まどか(てらい まどか)◇◆
《時間の風》  (編成: 金管、打楽器をのぞいたオーケストラ)
指揮:板倉康明 演奏:国立音楽大学Aオーケストラ(2013/12/20)

繊細な響きの層が美しい寺井さんの作品は、12音の音列に着目し、白鍵から黒鍵に流れていくような音列を作り、それを曲に用いています。木管や弦で12の音が同時に鳴る響きがとても好きだと語る彼女の嗜好はこの作品に適切に反映されており、 引き延ばされた音列が段々と圧縮されていき、最終的に12の音が同時に鳴るような構造になっています。また、ピッコロが奏でる短2度のクラスターの周期的な反復がとても印象的。

近藤先生からは、ピッコロの反復が作る区切りと和声の美しさが魅力的だと好いコメントをいただきました。先生からはまた、「自分自身の音程感覚、楽器づけによる響きの感覚を養うためにはピアノで鳴らしながら音や楽器の音色などをイメージする力を高めるのがよい。音の相互関係(音程、音高、空間的な配置、奏法など)に対する「作曲家としての耳」を作ることが自分自身の「Harmonic Language」を作ることになる。」という貴重なアドバイスもいただきました。

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◆◇ 金ヨハン(きむ よはん)◇◆
La Synchronicité  pour piano
Pf: 井口みな美
初演 :2015/03/12 杉並公会堂小ホール

時間をどのように物化するのか、部分化するのかに対する考察から、それぞれ固有の時間と性格を持つ音のフィギュアを考えたと語る金さんは、フィボナッチ数列と階差数列を利用して生成された値を再び文字化し、それぞれの基本音型に適用しています。そこにまた区切りを入れることによって、パルスを断絶させる手法を用いていますが、彼によればこのような試みは、新たな聴き方の探りから考案された手法であり、それぞれの音型は独立的な時間と規則性のない展開を持っているといいます。

近藤先生からは、それぞれの音型の組み合わせが変わることによって色んなアスペクトが見えてくるシステムをスタティックに表現したのが面白いと励みになるコメントをいただくほか、有益なアドバイスも沢山いただきました。

また、曲を作る側と聴く側の意識の相違から現れる参加者の様々なご意見も興味深く、作曲家の本来の意図と概念が実際の音楽的体験として実現されるべきなのか、聴き手の自由な聴き方で音楽を楽しめば良いかなどについても考えることができました。

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本講座では、近藤先生の率直なご意見と鋭いアドバイスが伺え、更に予定時間が過ぎるほど活発な質疑応答が行われ、熱のこもった議論が繰り広げられました。
マスタークラス的な要素を入れ、ディスカッション時間を大幅に増加させた今回の企画は初めての試みでしたが、楽しく有意義な時間になったと思います。

今後もBuncademyは単に講座を「受ける」のではなく、参加者がより積極的に講義に参与し、 学んだことを活かす力を養うことができる講座を企画・開催していきたいと思っています。
今後ともBuncademyを何卒よろしくお願い申し上げます♪

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